長野県・池田町教育長 竹内延彦さん

長野県・池田町 竹内教育長にお会いしてきました!

2019年2月、長野県池田町(いけだまち)の教育長に就任された竹内延彦さんに面会させていただく機会をいただき、トイロのメンバーである音羽とオオタさん(オンライン会議:ZOOMで参加)で池田町役場に訪問しました。

竹内さんは、前職では長野県知事と一緒に県庁の次世代サポート課の立ち上げから関わり、部署間を横断する子育て支援の役割を担いながら、通称「森のようちえん」や「自然保育」と言われる「信州やまほいく(信州型自然保育)認定制度」の制度設計、自然保育の推進に大きく貢献されてきました。

※参考リンク
長野県・次世代サポート課
長野県・信州やまほいく(信州型自然保育)認定制度

そんな竹内さんに、今後の教育や学びの方針や具体的な方向性についてお話しを伺うことができました。(まだ池田町の教育長に就任されたばかりで、まだ個人の中の想いや考えの段階ということです。)

またトイロが考えるこれからの学びについてもお話しさせていただくことができましたので、簡単ですが、その報告です。

ikedamachi
長野県・池田町教育長 竹内延彦さん

【竹内さんが考える、池田町の新しい学びは、どのような方針ですか?】

学びを学校の外へ

壁で区切られた建物に学校が入っているという考え方ではなく、池田町全体を学校として地域に開いて行きたいと思っています。

学校という区切られた空間があることで、子どもたちを守れるという側面もありますが、逆の見方をすれば地域住民の皆さんとつながりにくくなってしまう側面もあります。

物理的な壁を壊すということではなく、できるだけオープンにして町全体で子どもたちを一緒に育てていくというような環境を作れないかと考えています。

また、別の視点として、先生たちを確保するのが大変という背景もあります。これは池田町だけではなく、人口が少ない田舎街だと同じような状況にあるのではないでしょうか。

限られた時間の中で、学校の先生が、授業もやり、部活も持ち、放課後の生徒指導までやる、という今の体制には無理があるのではないかと思っています。できれば、学校の先生の役割を、その人それぞれの得意分野に集中させていくようにしたい。

例えば、授業が得意な人は、部活の担当を解き、その時間で授業の質を上げることに注力してもらうなど。また、教員ではない方でも得意な分野を持っている人に関わってもらえる環境を作り、その時間で質を上げてもらう。

そういうイメージで組み立てることで、学校の先生の負担を減らしながら、それぞれの質を上げられるのではないかと考えています。

なので、地域の人や、必要に応じてNPOや企業など、外部の力も(その道の専門家として)どんどん借りていきたい。外部に協力を、と考えると、プロジェクトと言う学びの形は欠かせないのではないかと考えています。

授業というと教室の中というイメージがありますが、必ずしも教室の中である必要はないと思っています。

例としては、池田町の伝統的なお祭りがあるんですが、今は学校と切り離されているのですが、学校の授業の一部として考えて、祭りと授業をつなげていくという方法があるかもしれません。地域の人にやってもらえることを増やし、町みんなで学び合うような環境を作りたい。そんな風に考えています。

社会人になったときには、同じ年齢の人・同じ出身の人だけで活動するということはほとんどありません。年齢の離れた人・異なる出身の人と一緒に活動するということばかりです。

なので、地域の授業の一環としても、異年齢でプロジェクト活動をし、先生、地域の人、地域の外にいる外部の専門家としてのNPO(トイロさんも含め)などの方々と、一緒に取り組むことができる仕組みづくりをしていけたらと思っています。

具体的にはまだまだわかりませんが、活動(学び)の時間帯は放課後になってしまうかもしれませんし、総合学習の時間があるので、学校の授業(≒単位)として扱えないかと考えていて、国・県にに働きかけながら、世界初の取り組みを行い、国やメディアを呼んで大々的に発信することができれば、池田町を知ってもらうきっかけにもできると嬉しいですね。

【プロジェクトという学びの形に、より具体的なイメージはありますか?】

0−15歳まで一気通貫した学び

私が教育に関わることになったきっかけは、大学院の研究の一環としてフリースクールの見学を始め、アルバイトとして運営に参加し、学びについて考えるようになったことです。

学びについて考える中で、子どもが学校に合わなかったのではなく、新しい時代を迎える中で、今の学校の形が子どもたちに合わなくなってきているのだと学びました。

長野県・次世代サポート課の時も、幼保小中(幼稚園・保育園・小学校・中学校)という年齢割りではなく、県内の子どもたちの学びを一気通貫で仕組みづくりを考えてきました。

そこは池田町の中でも変わらず、子どもたちの間に年齢の区切りを意識せずに、15年間かけて、どう学びを深め、拡げていってもらえる環境を作るか。

現行制度の上では1年生、2年生などの枠は残ってしまいますが、いざ学ぶ場面ではそういう枠を子どもたちが意識しない環境がつくれたらと良いですね。

幼稚園・保育園からはじめたいプロジェクト型学習

どこから始めるかは色々方法があると思いますが、まずは、プレスクールのようなイメージで、年長・小学1年生を対象とした学びの形を考えたいと思っています。

「小1の壁」という言葉がありますが、今の日本では、幼保と小学校の間が分断されているように見えるので、そこをつなげることから始められないかと思っています。

新しいことに積極的に興味・関心がある3~5歳から新しい学びの形を積み重ねていくことができれば、中学卒業までに学びが深められるのではないかと考えています。

中学卒業時のゴール像を設定して逆算しているわけではないのですが、幼児から積み重ねていくなかで学ぶこと自体を楽しみ、学ぶことに主体的な子どもたちになってくれることが大事ですね。

プロジェクト型の学習というよりは体験学習ですが、私が見学したスウェーデンの幼稚園のプログラミング学習では、パソコンを使わずに先生がある子どもに指示を出し、その指示の通りにその生徒が身体を使って指示を再現する。

他の子どもたちは、先生がどのような指示を出したのかを読み解くことで、指示する→再現するという、プログラミングの構造を理解することを楽しく学べる工夫がされていました。

※参考リンク
スウェーデンの就学前学校における教育・保育–IT と教育ドキュメンテーションの融合によるプロジェクト活動(研究所プロジェクト報告) PDF参照

また、ニュージーランドの小学校の社会学習では、国の大統領選挙に合わせて、小学校でも大統領を選ぶという授業があります。

公約を掲げて立候補して投票する行為を体験できるので、自分が社会と関わっていることを自然と学び取る機会が確保されています。

※参考リンク
国政選挙に合わせて小学校でも総選挙

プロジェクト学習については、まだ具体的なイメージまでできていませんが、日本国内・海外の事例を参考にしながら、カタチにしていきたいと思っています。

具体的な話になった際には、プロジェクトのプロのオオタさんや音羽さんにも、ご相談させてもらえると嬉しいです。

(音羽)はい、ありがとうございます。子どもたちが主役になれる学びの環境づくりに少しでもできることをと思っていますので、ぜひお願いします!

【池田町(いけだまち)情報を少し詳しく知れる参考リンク】
幼保2園、小学校2校(各校1−6年で約200人)、中学校1校(Wikipedia)
池田町の魅力(公式サイト)

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