世田谷区長にお会いしてきました

先月末、保坂展人(ほさかのぶと)世田谷区長をはじめ、世田谷区教育委員会の方々と面会させていただく機会をいただき、トイロのメンバーである音羽さん、安斎さん、私の3名で世田谷区役所を訪問しました。

同区では、独自の学習目標や内容等を定めた「世田谷区教育要領」*1を策定するなど、
23区の中でも学びに対する新しい試みが行われているということでご紹介いただき、面会が実現しました。

今回は、世田谷区の学びの方針について伺い、またトイロが考えるこれからの学びについてもお話しさせていただくことができましたので、簡単ですが、その報告です。

変わる、はたらき方。これからの社会で求められる力とは?

「不定形の課題に対し、チームで取り組んでいく、そういった力が必要になるでしょう。」

そんな保坂区長の言葉のとおり、世田谷区は「これからの社会を生き抜く力を育成」*2するために、区内の小中学校90校*3に対し、いわゆる”オルタナティブ教育”の構想を正に進めていくところとのこと。

また、つい先日、区内の不登校児の新たな居場所、学びを得られる場として ほっとスクール希望丘がオープンしたばかり 。ここは、全国のフリースクールを手がけ支援する NPO法人東京シューレ(www.shure.or.jp) と共に、公設民営型で立ち上げた施設ということで、学校に戻ることを目的とせず(ステキ!)、とはいえ学校に戻りたければ戻ってもよく(さらにステキ!)、「子どもたちの実態に即した学び」を支援する施設だそうです。

子どもたちひとりひとりの個性を大切にし、それぞれに合った「学び」の形を追求し、その場づくりに取り組まれていることがわかります。

新しい問題にチームで取り組む活動型の学びとは

ここで、私たちの考える「学び」についても、お話しさせていただきました。(説明資料はこちら

base campus 、そしてトイロ では、「プロジェクト・ラーニング」を活動の軸としています。

それは、近い将来、私たち”人”のしごとは
まだ答えのない新しい問題を、世界の様々な人たちがそれぞれの個性と力を活かし協力しながら、描き・実行し・解決すること
が中心になるのではないか、と考えているからです。

そう、正に上で区長が語ってくださった未来の姿と重なる!とその場でも思ったのですが、
このような新しいしごとの形、はたらき方こそが、私たちの定義する「プロジェクト 」であり、未来の社会で役立ってくれる「技術」「スキル」「力」になるのではないかと考え、その力を身につける方法の一つとして、プロジェクト活動を通して学ぶ「プロジェクト・ラーニング」を提案しています。

例えば、自分の小学校の校庭を、生徒や先生、保護者が自分たちで考え、専門家(世田谷区民で庭師の安齋さんとか・・)と共にリデザインする。
あるいは、毎年ほぼ定型で行われている運動会や学園祭を、何のために/誰のために行い、どう行うのかを、生徒が主体となって改めて考え直し、先生や保護者、地域の人など、様々な人たちと繋がり、力を出し合って、形にする。

そんなプロジェクト・ラーニングが、小中学校でも実現できるのではないか。
そして、そのような体験を積み重ねることが、自分の好きなことや、得意なこと、やりたいこと、ありたい姿を見つけるきっかけにもなってくれるのではないだろうか。

このような考えのもと、現在、長野県池田町でも園児・小学生を対象としたプレスクール企画を提案しており、そちらとつながったり、また同じような試みを世田谷区で検討できないか、というお話をさせていただきました。

区長と池田町の竹内教育長とは面識があるそうで、池田町が新しい取り組みを始めているようでしたら、ぜひ共有してほしい、とのお話しをいただきました!

 

対話と活動から生まれる、時に痛く、深い学び

チームでコミュニケーションを取りながら、形にすること。ここには、たくさんの感情と、熱意と、思いの交換が伴います。

もちろん、善い議論においては、感情を一旦切り離し、客観的・論理的に事実を見つめ整理すること、意見と人格は切り離して考えることが大切なのですが、人が集まって意見を交わす以上、時にそれぞれの思いが強烈な形で表面化することもあります。

「世間」「常識」というバイアスが比較的少ない子どもたちであればなおさら、プロジェクトの頓挫が危ぶまれる程に(笑)、荒れることもあるかもしれません。(大人の間でも度々起こりますよね。片腹痛し・・)

でも、それこそが、触れ合うこと、対話の醍醐味、「力」なのだと思います。

区長が活動型の学びとして紹介してくださったイギリスでの演劇教育、”シアター・プログラム”は、例えばいじめが起きている学級に対し、演劇のプロが芝居を見せたり、そのサポートのもと生徒たちが芝居に参加し、さらにディスカッションを行うことで、参加者の中に潜む問題を表面化させ、学びを深めるような目的でも取り入れられているということで、正にこの「力」が活きる手法なのでしょう。

私自身、ビジネス・ソーシャル関わらず、プロジェクト活動を共に乗り越えてきたという体験は、それぞれ強烈な爪痕を残していますし、今もずっと繋がり続ける仲間にもなっています。

 

多様な個性が集まり、それぞれが活き活きと、互いに尊重し合いながら暮らす社会を、どうつくるのか

その後見つけた、世田谷区の教育関連の記事をいくつか。

世田谷の校則ゼロ公立中、授業中に廊下で自習してもOK
世田谷区立桜丘中学校の記事。ルールとは、そもそも何のための、誰のためのものなのか。そして、最近よくメンバー間で話し合っている、学校とは何なのか、何のためにあるのか、という問いの答えが、一つ、見える形だなと思います。

書類の「父・母」欄廃止へ 多様な保護者に対応 議会定例会 /東京
履歴書等によくある「男・女」欄と共に、個人的にもずっと違和感がありました。うれしい。
私自身、思い至らない点がたくさんたくさんあると日々猛省しつつ、一つずつ、一歩ずつ。

 

今後も世田谷区や池田町、そして様々な地域の学びとかかわり、地域同士のつながりをつくるお手伝いをさせていただきながら、意⾒交換やプロジェクトの場を増やしていくことをたのしんでいきたいと思います!

 

*1 世田谷区で推進する「世田谷9年教育」の柱の一つとして2012年にまとめられた、区独自の教育要領。詳しくは世田谷区ホームページ(http://www.city.setagaya.lg.jp) 参照。

*2 2014年世田谷区発行リーフレット「世田谷区の教育 」より抜粋。

*3 2018年5月現在。世田谷区ホームページよりデータ参照

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